投資スタイル
ひと口に投資と言っても人によってそのスタイルはさまざまだ。
わずか数分保有するだけの短期トレードもあれば、じっくり腰を据えての長期トレードもあれば、ウォーレン・バフェットなどのように投資先を永久保有銘柄として位置付ける超長期(?)のトレードだってある。
また期間だけでなく、投資銘柄をどう持つかで一点集中型もあれば分散型もある。
投資の初心者は(超短期保有でないまでも)短期トレードが中心であり、分散投資を好む。
好むというよりどうしたってこれになるというのが正しい表現かもしれない。
投資スパンが長くなることはそれだけリスク許容度も高く、投資に対する姿勢やビジョンに明確なものが求められることになる。まさに投資哲学の世界だ。
そうなると到底投資初心者には無理な話だ。
分散投資についても投資ポートフォリオなんていう高尚な話ではなく、手広く網を広げ、値上がり銘柄が出るのを待つという印象だ。
ただ、別にこれが悪いというわけではない。
これらを通じて経験を積み、次に活かせば言い訳だが、どうも活かすまでに至らず、投資の世界から退場するケースが多いように思う。
であれば、やはりどこかにこの投資スタイルの間違いがあるわけで、それを突き詰めることが重要だ。
いっそのこと投資方法をまったく変えて、流動性の高い銘柄一点に絞り、とりあえず一週間後の方向性を見極めて投資した方が、パフォーマンスも上がるかもしれないし、自身の投資スキルも身につくのかもしれない。
勝てる投資家
投資で勝つための知識、スキルはいろいろあるが、そのうちのひとつが順バリだろう。
個人の投資家は基本的に逆バリだ。つまり上がったら売り、下がったら買いである。
これに対して順バリは将来の上昇を見越して買う、もしくは下落を見越して売るもので相場に追随するイメージだ。これが基本的には出来ない。
逆バリは過去の相場から今を比較するのに対して、順バリは今から将来の相場を見通すことになる。結果、前者が得意、楽であり、後者が不得手、難しいものとなる。
翻って相場自体は、それほど頻繁にトレンドが出るものではない。
トレンドの長さや力強さ、定義にもよるが、ひと月トレンドが出ないことだってある。
つまり、極論すれば逆バリだけで相場のかなりの時間を乗り越えることが出来ることになる。
問題はトレンドが出た場合だ。
このときはに完全に裏目に出て、対応が遅れると逆バリで積み上げた利益がすべて吹き飛ぶということになる。
これが個人投資家がやられる典型的なパターンだと思う。
であれば、大抵の時間は大局的なレンジ相場を見越して逆バリを継続し、順バリに切り替えるタイミングを息を殺して見極めることが重要であり、これさえ見極められればおそらく”勝てる投資家”になるのではないか。
お小遣い稼ぎとしての副業
「サラリーマンにとってのお小遣いとは」一体いくらだろうか。
新橋駅前のSL広場でよくありそうな質問だ。
しかし、これはある程度きっちりと認識しておいた方が良さそうだ。
もちろん、ひと口にお小遣いと言っても、給料は少ないが、全額フリーに使える若手社会人もいれば、役職について多額の給料を貰っているが、生活費、教育費、住宅ローンを抱える部長さんでは訳が違う。
ただこれらをすべて無視した上でお小遣いの平均値を出すと3~5万くらいではないだろうか。10万円を超える人は滅多にいないだろう。
であれば、「お小遣い稼ぎとしての副業」とは?
投資に置き換えて考えると、月間で3~5万円を生み出す以上のポジションを抱えているのはないだろうか。
「お小遣い稼ぎ」と口では言っても、「儲けられるときに儲けておかないと」や「あわよくばひと財産築こう」などといった妄想が頭の中を駆け巡り、「お小遣い稼ぎ」というしおらしい夢も儚く散っている気がする。
お小遣い稼ぎにふさわしいポジション運営になっているか一度見直してみる必要がありそうだ。
評価損益と実現損益
前回、投資で勝てない原因のひとつが「利食いは早いが、損切は遅い」というものをあげた。
これをもう少し突き詰めて考えると評価損益と実現損益についての理解につながると思う。
どちらを重んじるかなど、これについての正解はないわけだが、個人的には実現損益に重きを置くべきだ考えている。
別に評価損益を軽視するつもりもないし、これはともすると「塩漬け」という最悪の結果を招く可能性があり、相応に意識すべきではあるが、実現損益と同等と考える必要はないと思う。
それを時々刻々と変わる評価損益にひやひや、どきどきして耐え切れずに利食ってしまう、損切ってしまうと冒頭の結果に陥ってしまう。
なぜ評価損益は気にせず、実現損益に重きを置くのか。
それは個人投資家であるから。金融資産の時価会計なんて基本的に関係ない。
企業であればそうはいかない。常に時価と戦わないといけない。
個人投資家にはこの制約はないわけだが、このメリットを意識出来ていない、活かし切れていないように感じる。
評価損益がマイナスの金融資産も将来プラスに転じる可能性があるのか、もっと評価損益のマイナスを小さくすることが出来るのか、ナンピンすれば救出出来るのか、落ち着いて考えてその時を待つのが大事だ。
それを耐え切れずに(まさに目をつぶって)決済してしまうと評価損益はそのまま実現損益に変わってしまう。
この繰り返しが損失を雪だるま式に増やすことになる、と考えている。
投資での勝率
投資での勝率は本来五分五分であるはずがそうなっていない。
これについては諸説あるが、一番説明がつきやすいのが
利食いは早く、損切は遅い
というものだと思う。
勝つときは2,3だが、負けるときは10ではいつまでやっても勝てない。
少なくとも5勝1敗で収支はトントンだ。
投資での勝率を考えると、どんな優秀なディーラー、投資家でも6勝4敗程度ではないかと思う。それとて恐らくほんの一握りの人たちで、巷ではたぶん神と称されるレベルに属するのではないかと思う。
そして5勝5敗で天才レベル、4勝6敗で優秀レベルだと思う。
ではこのような人たちは勝率がイーブン、負け越しでもなぜ資産を増やせるのかというと損切がうまい、最小限に留めているからと言える。
これによって、大きく勝って、小さく負けるスタイルを手に入れ、収支を常にプラスとすることが出来るわけだ。
これだけ聞けば、なるほど・・・たしかに・・・と理解は出来るのだが、頭で理解できることと実行に移せるかはまったくの別物だ。
ただ、少なくとも損切がうまくなることが投資で勝つ上では重要なことは理解出来たはずだ。
では損切がうまくなるとは・・・
そもそも損切とは一種の自己否定である。
つまり自分は間違っていましたと認める行為と言える。
人間は自分が一番かわいいし、擁護もしたいし、プライドもある。
それらが損切の邪魔をする。これらとどう向き合って、そして付き合っていくか。
投資は儲けることを考えるより、損をすること(損切)を考えることに時間を割いた方が良いように思う。
ストラテジー、それはすなわち自分スタイル
投資の世界ではプロであれ、アマチュアであれ、勝つのは本当に難しい。
ゼロサムの世界なのに。
以前読んだ本に「本当に儲けるディーラーを見つけるのがマネジメントの仕事」という一文があった。これはつまりプロの世界でも儲けている人は少ないことを意味する。
恐らく数十人に一人という単位ではないだろうか。
そんな猛者が揃った世界にアマチュアが足を踏み入れたら・・・結果は明らかである。
腹を空かせたライオンやらヒョウやらニシキヘビやらワニやらがうごめくアフリカの大草原に野ウサギが紛れ込むようなものだ。
結果は丸呑み。
♪噛まずに食べた、の世界である。
ま、これはひとつの例えだが、やはり踏む入れる前の準備が結果を左右する。
これは情報であったり、相場観であったりするわけだが、最後はストラテジーだと思う。
ストラテジーというとなんだか高尚に聞こえるが、要は自分のスタイルが確立されているかということが大事であり、これが勝敗を、そして時に生死を分ける。
投資で儲かった学生やら主婦やらニートやらを見ていると自分のスタイルが確立されている。あとはそれを実行するだけという涼しい顔で大きな金額を動かしている。
自分のスタイルを確立するためには、座学であったり、ある程度身銭を切って実践してみることや多少痛い目に会うことで培われる気がする。
痛い目にあって、「痛い、痛い」と言うだけでなく、そこから何かを学び、盗む。
そうすることで徐々に自分のスタイルが確立されるはずである。
マーケットとの距離感
前回FXについて触れたので、もう少し。
FXで一獲千金を夢見る人は多いだろう。
事実、学生や主婦でも手軽に出来るし、隙間時間を使って大きな額を手にした人のニュースが流れることも少なくない。
ただ一方で、大損を被った人がその何倍もいることも事実である。
ところでこのFXであるが、副業、小遣い稼ぎという観点からいうとこれだけの投資環境が安価、もしくはほぼ無料で手に入れられることはすごいことだと思う。
加えて基本的にすごくフェアでもあり、完全自己完結である。
アフィリエイトなどは人を動かす必要があり、群衆の心理を鷲掴みにしたときの喜びは大きいかもしれないが、やはり難しい部分は多いように感じる。
それに比べるとFXはマーケットと1:1で対峙して自分の力だけで勝負することになる。またこの時のマーケットとの距離感であるが、ほぼ金融のプロと同じ距離感で、もしくはそれ以上に近い距離感で戦うことになる。
ただ、この距離感に怖気づく、もしくは距離感を正しく測り切れずに多くはやけどを負ってしまうように思える。
だからこの距離感を正しくつかむことがFXではまず大事になってくると思う。