評価損益と実現損益

前回、投資で勝てない原因のひとつが「利食いは早いが、損切は遅い」というものをあげた。

 

これをもう少し突き詰めて考えると評価損益と実現損益についての理解につながると思う。

 

どちらを重んじるかなど、これについての正解はないわけだが、個人的には実現損益に重きを置くべきだ考えている。

 

別に評価損益を軽視するつもりもないし、これはともすると「塩漬け」という最悪の結果を招く可能性があり、相応に意識すべきではあるが、実現損益と同等と考える必要はないと思う。

 

それを時々刻々と変わる評価損益にひやひや、どきどきして耐え切れずに利食ってしまう、損切ってしまうと冒頭の結果に陥ってしまう。

 

なぜ評価損益は気にせず、実現損益に重きを置くのか。

 

それは個人投資家であるから。金融資産の時価会計なんて基本的に関係ない。

企業であればそうはいかない。常に時価と戦わないといけない。

 

個人投資家にはこの制約はないわけだが、このメリットを意識出来ていない、活かし切れていないように感じる。

 

評価損益がマイナスの金融資産も将来プラスに転じる可能性があるのか、もっと評価損益のマイナスを小さくすることが出来るのか、ナンピンすれば救出出来るのか、落ち着いて考えてその時を待つのが大事だ。

 

それを耐え切れずに(まさに目をつぶって)決済してしまうと評価損益はそのまま実現損益に変わってしまう。

 

この繰り返しが損失を雪だるま式に増やすことになる、と考えている。